U・Iターンの転職面接でよくある5つの質問と回答例

面接は、プレゼンテーションの場です。自分という人間を理解いただく場だとお考えください。
応募した会社に自分を『採用したい』と思っていただくことで、面接を突破できます。
そのためには、自分の考えを整理しながら、どう答えるか文章に書いてみることがおすすめです。事前に自分の意思や考えをまとめることや企業研究をすることで具体的な話ができ、意欲のアピールにもつながります。しっかり準備をすれば、必ず自信がつきます。
そこで今回は、U・Iターンの転職の面接でよく聞かれる質問の回答例とポイントをご紹介いたします。

U・Iターン転職の面接を攻略！よく聞かれる5つの質問と回答例

【質問】なぜ、地元で働きたいのですか？

回答例

はい。もともと地元を離れた時から、いずれ私の実家のある北陸にＵターンし、地元の発展に貢献したいと考えておりました。両親が高齢になり、子供が小学校にあがる前のこのタイミングで、地元に戻りたいと思います。
住み慣れた地元に戻り、これまでの経験を活かしながらさらに会社に貢献することで、必要とされる技術者になりたいと考えています。

解説・ポイント

志望する会社に転職した後、どのようにキャリアを築いていくつもりなのかを考えてみましょう。地元に帰ればゴールなのではなく、地元の会社がUターン希望者を採用することのメリットを考えて回答することが望ましいと言えます。

【質問】なぜ、弊社で働きたいのですか？

回答例

はい。私は前職で製造と生産技術に関わる仕事を経験させていただきました。さらに知識・スキルを向上させ、工場の機械と電気に関わることなら何でも任せてもらえる技術者になることを目指しています。
貴社は、業界の中でも先んじて最新設備やＩＴ技術を導入し、●●や●●などのヒット商品を開発しておられ、社員育成にも定評があり、今後ますます成長していかれると存じます。
その過程で私も、これまでの経験を活かしながら自分なりに努力し、一緒に成長していけるように頑張りたいと思います。

解説・ポイント

面接企業をしっかり研究することが、志望意欲を伝えることにつながります。
興味のある事業や製品をあげ、自分の力をどのように活かしたいかを具体的にアピールしましょう。会社の概要をよく調べておくことが肝要です。

＜ポイント＞
・自分のやりたいことが実現できそうか
・今までの経験を活かすことができるか
・どの点に応募企業特有の魅力（他の会社ではなく、なぜその企業なのか）を感じているか
・転職理由との一貫性があるか

【質問】どのように弊社で活躍できますか？

回答例

私の強みは、人との関係構築と技術改善に取り組む行動力です。
現在の会社では生産技術職として勤務しております。社内外の技術上の課題を関係者にヒアリングし、チームで協力しながら課題解決のための仮説検証を繰り返し、コスト削減や売上向上に貢献しました。改善活動では毎年チーム表彰を受け、プロジェクトで●●●●万円のコストダウンも実現いたしました。この経験を活かし、「会社の技術面の問題解決」および「チームで仕事を進めること」の両方で活躍できると考えています。

解説・ポイント

この質問は、過去の経験をどう整理しつなごうとしているか、経験職種以外にどのような仕事ができるかを探っています。成功体験や仕事観なども交えて説明しましょう。
今までの業務において活かせると思った点はできる限り話をしましょう。
その他、「応募先企業のもつ製品に対する情熱・思い」や「仕事に対する取組み姿勢でプラスになる点」についても話し、付加価値を高めましょう。

【質問】ご家族の理解は得られていますか？

回答例

はい、子供が小学校に入る前にＵターン転職することは結婚当初から妻の理解を得ております。妻も北陸の土地をすっかり気に入っており、「自然豊かで伸び伸びできる環境で子育てをしたい」と賛同してくれています。
実家の親も子育てに協力すると言って喜んでくれています。
子供も自然の中で遊ぶことが好きで、北陸に来ることは楽しみにしています。
家族の理解と協力に感謝しながら、技術者として成長し、貴社のお役に立ちたいです。

解説・ポイント

家族がいる場合は、Uターン転職についての同意が必須です。自分の希望だけでUターン転職を決めることはできません。誰かが犠牲にならないように、家族で十分に話し合い、きちんと同意を得ていることを伝えましょう。

【質問】生活環境の変化については大丈夫ですか？

回答例

例：はい、大丈夫です。
私自身は、地元に友人知人も多く、生まれ育った環境なので、生活環境が変わることは大丈夫です。
妻はＩターンになりますが、「北陸は食べ物が美味しくて自然にも恵まれており、生活の利便性も十分」と申しております。

解説・ポイント

地方への転職には、メリットもあればデメリットもあります。自分の生活で優先したいことは何なのかを明確にしたうえで、生活環境が変化しても大丈夫であることを伝えましょう。

U・Iターン転職の面接を成功させるポイント

「本音と建前」を使い分ける

面接に置いて、本音で話すことは一番自然ですが、場をわきまえて時には建前を優先させることもあります。同じことを言っていても、言い回しを変えただけで印象はガラリと変わります。
例えば転職理由で、現状の仕事が嫌だという思いつきや感情ではなく、まずは嫌な理由は何なのか？を考えてみましょう。自分の本音と向き合い、転職先で何を実現すれば、それらを解消できるのかをロジカルに伝えるとよいでしょう。
「こうなりたいから転職する」という前向きな姿勢が大切です。特に、不満はあるが「人のせい」にしない表現は、好感が持てます。

ネガティブな質問には、ポジティブな回答をする

「当社はしんどいけど、ホントに大丈夫？」などと、キツイことをイメージさせる質問もあります。
この回答に、「不安に思う」「意欲がわかない」等のネガティブな言い方は避けましょう。ネガティブな表現とは、自分の気持ちについて否定的な側面だけを取り上げるもので、自分の良さを打ち消してしまいます。
そこで、否定的な言葉の代わりに、肯定的な言葉を使うようにしましょう。企業は、後ろ向きな人、否定的な人を採用したくありません。前向きに、肯定的に仕事に取り組んでくれる人を採用したいのです。

＜回答例＞
企業側：当社はしんどいけど、ホントに大丈夫？
応募者：はい、承知しているつもりです。体力には自信がありますし、強く希望している仕事ですので大丈夫です。

具体的エピソードを入れて答える

転職面接では必ず、これまでの仕事内容や経験が問われます。
その時に、面接官が具体的なイメージを描けるようにするためには、エピソードが重要です。
自分のキャリアを振り返り、自己分析を行い、小さなことでも自分なりに学習し、成長した具体的なエピソード（実体験）をなるべく見つけておきましょう。
エピソードは、具体的であるほど説得力が増します。「何を考えて」「何をしたのか」「どんな結果を生んだのか」「結果から何を学んだか」まで話せるよう整理しておきましょう。

＜ポイント＞
・面接官が、「そのエピソードを、もう少し聞きたいな」というエピソードを選ぶ
・行動の結果については、数字等を出して端的に語れると伝わりやすい
・中高年の方の場合は、ここ１～２年のうちに成長できたエピソードを語ると、「変化に対応する力」や「成長意欲」等を実績以上「これから」を伝えることができる

転職エージェントに面接対策を依頼する

転職エージェントは、面接先企業のことや求める人材についてよく知っています。そこで、面接の重要ポイントや心構え、気をつけること等について、積極的にアドバイスを依頼しましょう。
転職は周囲の人に伝えたり応援してもらったりすることが難しく、孤独な戦いになってしまいがち。ですので、一人で調べられる情報や考えられる面接対策には限りがあります。
そこで活用したいのが、転職エージェントやキャリアコンサルタントといった転職のプロ。
非公開求人情報の提供や、カウンセリングや面接対策を行なってくれるのが転職エージェントの強みです。専属のキャリアコンサルタントがいる場合も多く、企業の人事担当者との間に入ってくれるため、相談すれば面接もスムーズに進められます。

まとめ

「U・Iターンの転職面接でよくある5つの質問と回答例」について、ポイントをご紹介してまいりました。回答例は多々ありますがそれを暗記しても、面接官の心を動かすことはできません。
大切なことは、「どのように答えれば自分という人間が伝わるか」ということを、一生懸命に考え、自分なりの答え方を身につけることです。面接において、一夜漬けはありません。
面接は多かれ少なかれ緊張しますが、事前に調べ、自分の考えを整理し、回答の練習をきちんと行っておけば、あなたにとってベストな面接となるでしょう。