年収350万円・社会人3年目の自分が目指すべき次のキャリアステップ

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年収350万円・社会人3年目の自分が目指すべき次のキャリアステップ

社会人3年目で年収300~350万円の方が、年収400万円を目指すにはどのような方法があるのでしょうか。また、20代の方がキャリアを考えるにあたり、どのようにキャリアステップを考えたらいいのでしょうか。
本コラムでは20代前半で転職を希望される方に向けて、キャリアアップに欠かせないポイントと戦略を解説します。今後のキャリアステップを考えるうえで、ご自身の現状を客観的に分析し、具体的な行動に移すためのヒントとしてご参考になれば幸いです。

社会人3年目で年収350万円の現状をどう捉えるべきか

同世代の平均年収と自分の年収を比較する

「社会人3年目で年収350万円」と一口に言っても、比較対象がないと現在の年収が多いのか少ないのかは分かりづらいかと思います。いくら仲の良い友人でも、年収を聞くことははばかられるものです。
そこでご自身の年収が、同世代と比べてどの程度の水準なのかを客観的に把握しましょう。民間給与のデータは国税局の統計調査で参照できます。

▼国税局「令和5年分 民間給与実態統計調査」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2023/pdf/R05_000.pdf

上記の統計調査の「(第 14 図)年齢階層別の平均給与」を見てみましょう。
20代後半になると、男女の給与差が大きくなることが分かります。

  • 20~24歳の平均給与…267万円(男性279万円、女性253万円)
  • 25~29歳の平均給与…394万円(男性429万円、女性353万円)

※注※
この調査での「給与」の説明…令和5年における1年間の支給総額(給料・手当及び賞与の合計額をいい、給与所得控除前の収入金額である。)で、通勤手当等の非課税分は含まない。

また、企業規模、業種や職種、日本企業か外資系企業か等によっても差があるため、全国平均と比較するだけでなく、ご自身の状況と照らし合わせながら分析を行うことが重要です。
北陸3県の企業に勤務している場合は、東京都などの大都市圏と比べると水準が下がる傾向があるので、地域差を加味して考えましょう。

現職でのこれからの成長と年収アップの可能性

すぐに転職を考える前に、まずは現職の会社でキャリアアップが可能かどうかを再確認してみましょう。現職でキャリア・経験を積み、その結果として年収アップを見込める場合もあります。

<確認する項目>
・資格取得
社内に資格取得支援制度はあるか。資格取得をすることで、資格手当がもらえるか。(実質的な年収アップができるか。)
・評価制度
昇給や昇格の仕組みは明確か。インセンティブ制度はあるか。どのような条件・目標をクリアしたら給与アップが望めるか。
・上司との面談
自分が身に着けたいスキルや経験を明確にし、上司との面談で今後のキャリアプランを共有できるか。
・異動
自分が思い描くキャリアのために、他部門への異動は可能か。

もし現職でキャリアアップが難しいと感じた場合は、転職を検討するのも選択肢の一つです。

年収以外で見るべき指標とは

転職を考えた時に、年収アップは仕事をするうえで大きなモチベーションになります。しかし、会社員として働くことを希望する方であれば、今後も数十年働き続けるにあたり、長期的なキャリアを築くためには、「年収」以外の指標にも注目するべきです。
一般的に、会社員は1日の3分の1の時間を仕事に費やします。長く仕事を続けるうえで、働きやすい環境であることも大切な指標となります。

<年収以外に仕事を続けるうえで大切な指標>
・職務内容
・昇進のチャンスや評価制度
・成長機会・教育制度
・職場環境や企業文化
・福利厚生
・円滑なコミュニケーション・人間関係
・残業の有無
・休みの取りやすさ  など

自分のキャリアを考える

これからのキャリアの方向性を明確にする方法

「仕事において何を大切にしたいのか」「どのような働き方をしたいのか」を具体化することで、自分が目指すべきキャリアの方向性がクリアになります。以下に示す3ステップを踏むとスムーズに進められます。

  • 【ステップ1】やりたいこと・実現したいこと(Will):自分が本当にやりたい業務や役割、働き方
  • 【ステップ2】できること(Can):現在身につけているスキルや知識
  • 【ステップ3】企業から求められること(Must):企業や業界が求める役割やポジション、経験

ステップ3については企業や業界が求めることなので、なかなか把握しづらいかもしれません。企業ホームページや求人サイトには、企業が求める人物像・経験・スキル等が書かれているので、それを参考にするとよいでしょう。また、業界の未来予測を調べることで、どういう仕事内容・役割・スキルがこれから大事になるかが分かります。
キャリアの方向性がクリアになったら、次に「そのキャリアは現職で叶えられるのか」を考えましょう。もし、現職で望むようなキャリアが積めそうにないとなれば、転職を検討することになります。

具体的なキャリア目標設定の手順

キャリアを考えるうえで大切なのは、自分が「仕事を通じてどのようになりたいのか」という目指す姿を明確にすることです。大きな夢を掲げることは素晴らしいですが、その夢があまりに抽象的だと行動に移しづらくなります。そこで、「いつまでに」「どんな立場・スキルで」「どのように仕事を進めているのか」など、【できるだけリアルに・具体的に】思い浮かべてみましょう。
例えば、「3年以内にリーダーポジションに就き、年収を400万円に引き上げる」「5年後に新規事業のリーダーとして活躍する」「ロールモデルとなる先輩の行動を研究し、先輩に追いつく」「商品の品質改善を行い、5年以内に不良率を1%以下にする」というように、明確で数値化しやすい目標を立てることが重要です。目標を立てることで、「達成のために今何をしなければいけないのか」が自ずと見えてきます。
この目標設定は、「現職を続けた場合」「転職した場合」で分けて考えることも大切です。

キャリアを積む方法

現職でスキルを磨く

転職のタイミングを先延ばしにして、現職でスキルを磨くのも一つの手段です。現職で得られる実績や経験、ノウハウは、転職時にもアピール材料になります。
現職でスキルを磨くには、以下のようなアプローチが考えられます。

今の部署で最大限に成果を出す

限られた就業時間の中で、今の仕事に集中することは、キャリアを積むうえで一番の近道です。数値目標がある場合には、その目標にコミットできるように努力することが大切です。

上司や先輩へ相談

自己流で努力し続けても、会社の方針やミッションとのズレがあると評価に繋がりにくい場合があります。「組織の期待や自分に与えられた役割」と「5年後のキャリアビジョン」を定期的にすり合わせ、アドバイスを貰うのが効果的です。

社内でのチャンスを有効活用する

他部署や関連部署とのプロジェクトに参加できる場面があったら、チャレンジしましょう。
例えば、複数の部門が組んで企画を行う場合であれば、普段関わりの少ない部署の考え方や業務フローを学ぶ機会となります。また、プロジェクトや研修の参加メンバーが公募されている場合には、積極的に手を挙げることも現職で経験を積むことに繋がります。

業界や職種を変える

現在働いている業界・職種で、これからも働いていくのは難しいとお考えの方もいらっしゃるかと思います。その方向転換は社会人10年目、20年目だとなかなか難しい面がありますが、社会人3年目という若年齢だからこそ、思い切って業界・職種を変えることはしやすいです。
将来的なご自身の伸びしろや業界の成長性を考慮すれば、中長期的に見て大きなリターンが期待できる可能性があります。短期的な目線ではなく、3~5年後をイメージしながら判断すると良いでしょう。

自己学習や資格取得をする

働きながら新しいスキルを身につける方法として、自己学習や資格取得があります。リスキリング(社会人の学び直し)という言葉は、昨今ではよく聞かれることでしょう。
勉強や資格取得を取得するうえで、仕事に直結するものが望ましいですが、今後チャレンジしたいことに合わせて、「IT系資格」「ファイナンシャルプランナー」「簿記」「TOEIC」など、転職の際に業種を絞らない汎用的な資格も検討してみましょう。

転職における自己分析

自己分析の重要性

今後のキャリアの方向性を決め、転職によってキャリアアップをすると決めたら、まずは自己分析をしましょう。
自己分析をすることで、自分が大切にしたい価値観や得意分野を再確認できます。
例えば、
「人とコミュニケーションをとることが好きだから、営業職が向いている」
「データを扱うのが得意だから、分析系の職種に挑戦したい」
「一つのプロジェクトを深堀りするより、複数のタスクを並行して進める働き方が合う」 といったように、自分らしいキャリアの方向性が明確になり、企業・職種選択に役立ちます。

自己分析をしっかり行うと、面接官に対して
「これまでの仕事で培ったスキル」
「今後伸ばしていきたい分野」
「自分の強みと企業の求める人物像との共通点」
などを的確に伝えられるようになり、自分をアピールするうえで説得力が増します。

自己分析から自分の強みと弱みを見つけるポイント

自己分析では、ご自身の強みと弱みの把握がとても重要です。具体的には、以下に示す3つの視点で洗い出してみましょう。

  • 過去に評価された実績や成功体験
  • 得意とする業務内容やプロセス(例:交渉・商談、企画・提案、分析、調整、コミュニケーション、営業・新規企業開拓、他者のサポートなど)
  • 仕事で苦手意識を感じるポイント(例:人前でのプレゼンが苦手、細かい事務作業が苦手など)

企業面接ではご自身の得意分野・強みによって力を発揮し、企業に貢献できるというところをアピールしましょう。アピールする際には、現職での具体例や数値で説明できると、面接官がイメージしやすいです。もちろん苦手なことや弱みがあったとしても、克服できるように努力することも大切です。

年収を上げるための転職戦略

現在の経験(業種・職種)・スキルで転職

転職を通じて年収アップを目指す場合、未経験の業界・職種へ挑戦するよりも、これまでの「業界・職種・スキル」を活かせる転職の方が、企業から高い評価を得やすくなります。結果として、年収交渉も有利になる可能性があります。
同じ業界や類似する職種への転職は、企業側があなたを「即戦力」として見られるため、採用時の評価が高くなるケースが多いです。新たな教育・研修コストや業務理解の時間が最小限で済む分、企業は経験・実績を踏まえて高めの給与を提示しやすくなります。
これまで積み重ねてきた知識やスキル、実績が強みとして評価されやすいのが大きなメリットです。年収アップを狙うのであれば、即戦力として企業に貢献できる点を具体的に示し、交渉の材料とすることが大切です。

高収入が期待できる業界・職種へ転職

業種や職種によって平均年収が違います。年収を上げるための転職であれば、高収入が期待できる仕事に転職することも一考の余地はあります。
高収入が期待できる業界・職種とはどういったものでしょう。
国税局の統計調査によると、業種別の平均給与は下記の通りです。

  • 1位:電気・ガス・熱供給・水道業 775 万円(「業種別の給与階級別構成割合」で見ると、800万円以上の人が41.1%)
  • 2位:金融業・保険 652万円
  • 3位:情報通信業 649万円
  • 4位:学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業 551万円
  • 5位:建設業 548万円

※(第 13 図)業種別の平均給与より

▼国税局「令和5年分 民間給与実態統計調査」
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2023/pdf/R05_000.pdf

北陸3県を含め、年収アップを狙いやすい職種やポジションには以下のものがあります。

  • IT:エンジニア(開発・AIなど)やコンサルタントなど
  • メーカーの技術系ポジション:製品開発、製造技術、機械設計など
  • 医療関連職
  • 管理職・マネージャーポジション(職種問わず)
  • 士業系職種:弁護士、公認会計士、税理士など
  • 法務・財務・経営企画
  • 歩合制の仕事(営業など)

年収アップを目指して業界や職種を変える場合、未経験領域へのチャレンジとなると年収が一時的に下がるリスクも考えられます。一般的に企業は、採用において経験者を募集していることが多いです。内定を獲得できたとしても、転職先からは業界の平均年収よりも低い金額で提示される可能性がありますのでご注意ください。また、年齢によっても平均年収が変わることにも気を付けましょう。
その他、新しい仕事を始めるということは、スキル習得のための勉強や努力ももちろん必要です。

転職活動の進め方

転職活動で活用すべきツール・サービス

転職活動を効率的に進めるために、以下のようなツール・サービスを活用しましょう。

  • 求人サイト:大手求人サイトや地域特化型の求人サイトで求人を探す
  • 転職エージェント:転職のプロであるキャリアアドバイザーが個別にサポート
  • 企業サイト:興味のある企業の採用情報をチェック
  • SNS (Instagram、Xなど):企業や採用担当者の情報をキャッチ

北陸3県に特化した地域求人サイトや、地方に強い転職エージェントがあります。地元企業への転職を狙うならそれらを活用するとよいでしょう。

求人サイトと転職エージェントの使い分け

転職活動では、求人サイトと転職エージェントを使われる方が多いと思います。その違いは下記です。

求人サイト

【メリット】
・自分のペースで求人検索できる。
・気軽に転職活動が始められる。
【デメリット】
・短い期間で情報の入れ替えがあるので、常にチェックしないと見逃す場合がある。
・転職に関する全てのやり取りを自分で行う必要がある。

転職エージェント

【メリット】
・キャリア相談や面接対策、企業への推薦など幅広い支援を行ってくれる。
・非公開求人を開示してもらえるので、求人情報が多い。
・条件交渉を代行してくれる。
・企業の生の声を知っている。
【デメリット】
・最初にエージェントとの面談が基本なので、応募に日数がかかる場合がある。
・気軽に求人情報が見られない。

求人サイトで市場をリサーチしつつ、自分に合いそうな転職エージェントを1~2社ほど利用するのが効率的に転職活動が進められるでしょう。

非公開求人や詳しい企業情報の探し方

各種転職サービス、SNSや人脈を活用することで、一般には公開されていない非公開求人や隠れた優良企業の情報を得られる場合があります。

①SNS(Instagram、Xなど)での情報収集
業界有識者や企業担当者、人事担当者をフォローすると、業界や企業の情報を知ることができます。

②知人や大学研究室のOB/OG等の人脈
在職している企業や取引先企業の内情を聞けるほかに、リファラル採用のチャンスがある可能性があります。
※リファラル採用とは?:その企業に在職している知人を介して紹介・採用してもらう方法のこと。

③転職エージェントの利用
転職のプロである転職エージェントは、非公開求人を保有していることはもちろん、直接求人企業とやりとりしているからこその、独自の情報を持っています。
転職活動をするのであれば、エージェントの積極的な利用をおすすめいたします。

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