機械保全技能士は、機械保全に関する技能と知識を有していることを示す国家資格です。
機械保全は、工場の製造ラインで機械を安全・正常に稼働させるために、修理やメンテナンスを行う仕事で、生産現場には欠かせません。
この記事では、機械保全技能士の資格を取得するメリットや資格を活かせる仕事、機械保全技能検定の概要などをご紹介します。
※本コラムの内容は2024年3月時点のものです。
目次
【国家資格】機械保全技能士とは?
機械保全技能士とは、機械保全に関する技能と知識を証明する国家資格です。機械保全技能士は、工場の機械の故障や劣化を予防し、正常な運転を維持するといった「機械保全」の仕事を担っており、機械保全技能士と名乗るには、機械保全技能検定に合格することが必要です。
機械保全技能検定は、働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する技能検定の1つとして、職業能力開発促進法に基づいて実施されます。
機械保全技能検定は、「モノづくり分野」の国家検定で1番の受験者数を誇るほど、人気の資格です。
機械保全技能士の資格を取得するメリット
機械保全技能士の資格の取得は、今の仕事やこれからのキャリアにおいて大きなメリットがあります。例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 製造現場で必要な基本の技能・知識を身に着けられる
- 昇給や昇進で有利になる可能性がある
- 転職活動で技術や知識をアピールしやすい
製造現場で必要な基本の技能・知識を身に着けられる
機械保全技能士の資格を取得すると、製造現場で必要な基本の技能・知識が身につきます。
機械保全の知識は、電気回路や機械加工、設備の安全対策など、製造現場で欠かせません。
機械保全に関する基本の技能・知識がないと、設備の異常を見落としたり、適切に工具を扱えず、トラブルや故障、思わぬ事故につながってしまうかもしれません。
機械保全技能士の勉強をすることで、機械保全に関わる基本の知識が身につき、製造現場での仕事に役立てることができます。
昇給や昇進で有利になる可能性がある
機械保全技能士は、機械保全に関する技能や知識を習得していることを客観的に証明できる資格であり、昇進や昇給で有利になります。
管理職やマネージャーを目指したい人は、1級以上の等級を目指してみると良いでしょう。
また、機械保全技能士の等級に応じて、資格手当が出る場合もあります。資格手当の金額は企業によって異なりますが、月数千円から数万円受け取れることもあるようです。
転職活動で技術や知識をアピールしやすい
機械保全技能士の資格は、転職活動でも有利に働きます。
機械保全技能士の資格がなくても機械保全の仕事には就けますが、機械保全技能士の資格があれば、機械保全の専門知識や技術を有していることが証明でき、大きなアピールポイントとなります。
特に、即戦力を期待している企業であれば、転職の採用でリードできる可能性が高まるでしょう。
また、機械保全技能士は製造業でのニーズも高いため、強みとして転職に活かしやすい資格です。
機械保全技能士の資格が活かせる仕事
機械保全技能士が活躍するのは、工場の製造現場です。工場の製造現場には主に、量産工場とプラント工場があり、どちらで働くかによって労働環境や仕事内容が異なります。
量産工場では、新規設備の導入や異常発生時の修理、メンテナンスなどが主な業務です。量産工場で働く機械保全技能士は、工場内の設備が原因で、不良品を製造したり製造ラインが停止したりしないようメンテナンスする点で重要な役割を担っています。
一方、プラント工場で働く機械保全技能士は、設備の運転や保守管理が主な業務です。プラント工場では、高所での作業や危険物を取り扱う作業など、危険と隣り合わせの業務をすることもあります。
近年の製造現場では、人手不足の解消や効率化のために機械化が進んでおり、機械保全技能士はますます需要が高まっていくと考えられています。
機械保全技能検定の概要
機械保全技能検定の以下について、それぞれ詳しく解説していきます。
等級と受験資格
機械保全技能検定の等級は、特級・1級・2級・3級の4つに分けられており、いずれの等級も学科試験と実技試験があります。
3級は実務経験がなくても受験可能ですが、2級以上は機械保全に関する業務に就いていた経験年数によって、受験できる等級が異なります。
特級
特級の受験に必要な実務経験年数は、1級合格後5年以上です。主に管理職を受験対象としており、保全分野における監督者としての技能評価が行われます。
1級
1級の受験に必要な実務経験年数は、7年以上です。
製造部門や保全部門のリーダーが主な受験対象であり、上級レベルの技能評価が行われます。
2級
2級の受験に必要な実務経験年数は、2年以上です。
現場の保全マンやオペレーターが主な受験対象で、教育能力の評価として利用される傾向があります。
3級
3級の受験では、実務経験年数は問われません。新入社員や学生が主な受験対象であり、学習や教育成果の確認が行われます。
試験内容
特級の学科試験は、工程・作業・品質・原価・設備管理、安全衛生管理および環境保全、作業指導、機械保全に関する現場技術の科目から構成されています。
また、特級の実技試験では、現場における課題が提示され、計画立案、予想等を行わせる問題が出題されます。
1級・2級・3級では、選択作業の分野別に、それぞれ学科試験と実技試験が実施されます。選択作業の分野は、1級・2級は機械系保全作業・電気系機械作業・設備診断作業の3区分で、3級は機械系保全作業・電気系機械作業の2区分です。
1級・2級・3級の学科試験は多肢択一式の正誤問題で出題されます。
合格率
2022年度の機械保全技能検定試験の合格率は以下の通りです。
- 特級:21.4%
- 1級:27.5%
- 2級:32.5%
- 3級:76.5%
機械保全技能検定試験は、等級が上がるほど難易度が高く、合格率が下がる傾向にあります。
受験料
受験手数料は以下のとおりです。
- 学科試験、実技試験両方:20,000円
- 学科試験のみ:4,600円
- 実技試験のみ:15,400円
試験日程
参考までに、2023年度の試験日は以下のとおりです。最新の情報は公式サイトにて確認してください。
【第1回】
~3級~
学科試験 2023年6月25日
機械系保全作業実技試験 2023年6月25日
電気系保全作業実技試験 2023年6月10日~2023年7月16日の間で複数回実施
【第2回】
~特級・1級・3級~
学科試験 2024年1月14日
実技試験 2024年1月14日
~2級~
学科試験 2023年12月17日
実技試験 2023年12月17日
~1級・2級・3級~
電気系保全作業実技試験 2023年12月2日~2024年2月25日の間で複数回実施
機械保全技能士を取得して、転職でリードしよう
機械保全技能士は、安全かつ安定した設備管理と製造ラインの稼働を目指す製造現場に必要不可欠です。
機械保全技能士の資格を取得すれば、製造業に必要な知識を身につけられるだけでなく、昇給や転職でも有利になるでしょう。
今後、機械の自動化や高度化が進むにつれ、機械保全のプロである機械保全技能士のニーズが高まっていくと予想されます。
今働いている製造現場でスキルアップしたい人や製造現場に転職したい人は、ぜひ機械保全技能士の資格を取得してみてください。
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