「給料が少ない」
「同期と比べて、自分の方が給料を貰っていない気がする」
「毎月カツカツで、貯金がなかなかできない」
など、給料や年収が少ないことをきっかけに、転職したいと思われる方がいらっしゃることと思います。
給料が少ないと、生活の水準が下がってしまうことで、さまざまなストレスを感じてしまいます。
しかし、「給料が少ない」と思ったら、すぐに転職したほうがいいものなのでしょうか?
今回は、給料が少ないとお悩みの方に、「会社を辞める前に知ってほしい5つのこと」について解説いたします。
「給料が少ないから転職したい…」会社を辞める前に知ってほしい5つのこと
①現職の給与相場を客観的に知ろう
まずは自分の現給与について、都道府県別に見た賃金と照らし合わせてみましょう。
客観的に自分の現状を把握することが大切です。
下記は厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」の中の、「都道府県別に見た賃金」のデータです。
【都道府県別に見た賃金(令和2年)】※月額
・東京都/373.6千円
・富山県/287.9千円
・石川県/285.2千円
・福井県/274.2千円
・全国計/307.7千円
▼参考:厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/index.html
(10) 都道府県別にみた賃金
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/dl/10.pdf
このデータを見ると、東京都と福井県では月額約10万円の開きがあります。
このように勤務エリアによってかなり賃金が異なるものなので、現在の勤務エリアの賃金データを知ることは大切です。
なんとなく「給料が少ない」と思っていても、実際にデータを調べてみると、「この勤務エリアでは良い方の給料を貰っていた」ということが分かり、転職をしなくていいのではと思うことがあるかもしれません。
また、勤務エリアによる賃金差以外にも、業種や職種、年齢等のさまざまな条件による賃金差もあります。
それらのデータを調べてみることも参考になるでしょう。
②自社の人事制度に定められている給与体系(賃金体系)を知ろう
給与体系(賃金体系)とは、基本給や手当の決定方法や支給基準を、会社独自で定めたものです。
その他、年齢給・職能給等もあり、会社によって給与の決定方法は様々です。
そこで、自社の賃金体系がどのような仕組みになっているのかを知ることが大切です。
分からない場合は、総務や人事担当者に問い合わせしてみましょう。
また、資格取得等で手当がもらえるかの確認もしておきましょう。
例えば、今の職場で資格を取ることで手当を貰え、結果的に年収をアップすることができれば、ご自身のスキルアップ、そしてモチベーションアップにも繋がります。
③自社の人事制度に定められている等級制度と評価制度を知ろう
等級制度とは、従業員の能力・責務・役割等に分け、職務を遂行する際の権限や責任を定めたものであり、給与(賃金)の根拠にもなります。
評価制度とは、従業員の能力や企業への貢献度(成績/結果)などについて、評価基準を定めたものです。
自社の等級制度や評価制度を再確認することで、自社で働き続けるにあたり、今後どのように給与が上げられそうなのかが見えてくるでしょう。
そして、会社に給与交渉をすることも、給与を上げるための一つの手です。
但し、いきなり「給料を上げてほしい!」と伝えることは考えものです。
給与査定の時や、評価のフィードバックの時など、しかるべきタイミングでの確認をおすすめいたします。
その時には、ご自身の目標に対する成果や実績等を数字で見える形で交渉することがよいでしょう。
④自社のキャリアパスを知ろう
キャリアパスとは、企業の中で働き、成長することを前提に、ある職位・職務に到達するまでのルート・道筋を示しています。
言い換えれば、会社の中でどのようなスキルを身につけ、どのように行動し、どのような結果を残せば、昇進して給料がアップするかがイメージできる、ガイドラインとなるようなものです。
企業によってはキャリアパスが明確に示されていない場合もあるかもしれません。
このような場合は自社ホームページの採用情報に「求める人物像」というものがあります。
求める人物像はキャリアパスほど整理されていないものの、企業がこのような人物に成長してほしいという想いが表現されているものなので、そちらもチェックしてみるとよいでしょう。
自社でのキャリアパスを知れば、どのように働くことが給与を上げることに繋がるのかということが見えてくるでしょう。
⑤人事制度とキャリアパスを基に、実際に自社で給料アップが可能か考える
「自社の人事制度(賃金制度・等級制度・評価制度)」と「キャリアパス」、そして「求める人物像」をきちんと理解すれば、会社側が社員に求めているものや社員の成長への期待がなんとなくイメージできます。
それらと現状の自分のポジション・日常の行動・振る舞い・期待されていること・改善すべきこと等々と照らし合わせてみましょう。
そうすることで、自分に足りないものや身につけるべきスキル・能力が見えてくるものです。
そのうえで、今後自社で給与アップ・キャリアアップが見込めるか考えてみましょう。
その時には中長期的な視点で見て、自社で働くことはプラスなのか、考えることが大切です。
「給料の少なさ」で転職を考えた時に注意すべきこと
仕事は給料だけが全てではない
仕事において、現職の「給料」と「現職の仕事内容・条件・職場環境」のバランスがとれているかを考えることも大切です。
「給与は同年代の同業種で見ると少ない方だが、残業は月10時間以内と少なく、年間休日も120日以上あるので、家族との時間がしっかりとれる。同僚にも恵まれ、仕事に集中して打ち込める環境である。」という場合もあります。
仕事は給料だけが全てではありません。
そこで、「仕事をするうえであなたが何を重視するのか」そして「重視する条件の順位付け」をしっかりしておくことが大切になります。
転職したからといって、必ず給料が上げられるわけではない
「給料が少ない」ことを解消しようとして転職しても、必ず給料がアップするとは限りません。
どんな企業でも、「社員が求めるスキルや経験を持ち合わせているか」ということが給与を左右します。
転職という手段で給与を上げることを狙うよりも、自分が学び、経験を積んで努力する方が、中長期的な目線で見ると給料アップに繋がることでしょう。
意外と気づかぬうちに出費していることも…
「給料が少ない」という現状を、心理的事実と客観的事実に分けてひも解いてみましょう。
「少ない気がする」というのは心理的事実です。
それに対して、「業種別賃金データ・人事制度・キャリアパスそして、活躍度合いに対する社内の周囲評価」等々、給料に関するデータを比較し、かつ周囲のメンバーも少ないと感じているのであれば、それは客観的事実です。
心理的事実が間違いだとは言えませんが、自分の努力で支出を減らすことで、給料に対する感じ方が変わるかもしれません。
そこで、月々の出費を確認し、生活費を見直すことも大切です。
今一度支出を見直ししてみると、「予想よりもこんなにお金を使っていた!」と気づくこともあるでしょう。
「飲み物・昼食は家から持参する」「買い掛けで物を買わない」「スマホ代金や保険料等、固定費を見直す」など、限られた給料の中で改善できることはたくさんあります。
最近はミニマルライフという考え方も浸透しているようです。
お金はあくまでも「幸せに生きていく手段のひとつ」であることを再確認して、生活を見直してみてもいいかもしれません。
まとめ
現職をコツコツ続けることを考えてみることも大事
私は数十年、転職エージェントに携わって仕事をしています。
「総合的に考えて、今のお仕事を頑張る方がよいでしょう」というセリフが言える転職エージェントはあまりいないかもしれませんが、正直なところしなくて良いのであれば、極力転職はしない方がよいと思っています。
WEB上では「転職で年収アップ!」とか、「資格を取って独立開業!」等と、まるで転職によって楽園が訪れるような表現がなされていますが、実際のところそのようになるのはしっかりとした経験やスキルがある一部の方々のみです。
総合的に考えると、現職でまじめににコツコツ謙虚に取り組むことが、給料アップの一番の近道だと思います。
それでも「転職したい」という結論に達したら、転職を考えよう
熟慮した結果、どうしても転職を考えざるを得ないということであれば、当サイト「ほくりくFIT転職」にご相談ください。
ほくりくFIT転職は、北陸三県(富山・石川・福井)に特化した転職エージェントです。
弊社は皆さんの転職先を考える前に、皆さんの中長期的な人生を考える視点を前提にご対応させていただきます。
北陸への転職をお考えの方は、ぜひほくりくFIT転職にご相談ください。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。