転職を考えるきっかけや理由は人それぞれです。
そもそも置かれている状況も個人によって異なるので、「これが転職の王道だ」と示せるものはありません。
「転職したいけれど進め方、やり方が分からない」
「転職にはどんな準備が必要なのかな」
「まだ転職の決心がついていないけれど、エージェントに相談してもいいのだろうか」
「転職活動って内定までにどれくらいの期間がかかるんだろう」
上記のように、転職に関する疑問も人それぞれです。
しかし、転職の際に常に頭に入れておいて頂きたいポイントがいくつかあるのも事実です。
特に転職エージェントなどを通さずに自分で転職活動を行う場合、このポイントを外してしまったために、トラブルに巻き込まれることも珍しくありません。
今回は転職に関する基礎や、転職に向けた注意事項について解説をしたいと思います。
目次
そもそも転職活動は就職活動とどう違うの?
転職活動は学生の就職活動とはまったく別物
本題に入る前に是非覚えておいて頂きたいことがあります。
それはずばり、転職活動は学生の就職活動とは全く異なるという事です。
【学生の就職活動の場合】
・入社時期(スケジュール)はおおむね決まっている
・会社説明会など、新卒採用に関するオープン情報が豊富
・応募者(学生)のスキル、年齢に差や幅が小さいので、募集要件や内定条件も固定的
・受験企業数、内定数もある程度確保できる可能性がある
・そもそも卒業して社会で働きたいと考えているのであれば、就職することが大前提
【社会人経験者の転職活動の場合】
・中途採用のスケジュールは企業の状況によって異なる
・中途採用に関するオープン情報は少なめ
・内定条件は求職者の経歴・スキルによって異なる
・受験企業数や内定企業数は的が絞られる分少なくなる
・そもそも転職が必要かどうかも選択肢
企業によって採用活動に差はあるものの、経験者採用はカスタマイズされた活動になることは是非覚えておいてください。
最も異なるのは求人について公開されている情報の差
転職活動の流れはエージェントを通すのか独力で進めるのかにもよりますが、概ね下記のようなステップになることが多いと思われます。
①活動準備
②企業への応募
③筆記試験、面接(複数回)
④内定~退職手続きの開始
⑤入社
応募する企業によって差はありますが、ほぼこの流れに沿うと思っていただいても問題はありません。新卒の就職活動時と比べると、「インターンシップ」や「会社説明会」といったステップがないことに気が付くのではないでしょうか。
転職活動の場合、オープンな情報公開の機会が少なく、面談や会社訪問という表現を使いつつ、実質面接に近い形態をとることも珍しくありません。
基礎を押さえる!転職活動の進め方・流れ
①転職活動の準備
自己分析
今までの自分の過去の経験や出来事を振り返り、「どんな仕事に向いているのか」「自分の志向はどういうものなのか」「弱みと強みは何か」をまとめましょう。
学生時代と違って社会人を経験している分、これらの内容は絞り込みやすいと思います。
その後に仕事を軸に詳しく考え、「自分は転職によってなにを叶えたいのか」「将来どんな風になっていたいのか」等、今後自分がどんな働き方をしたいのを検討します。
また生活設計のためには、給与等の待遇、勤務地(転勤の可否)、休日・休暇、勤務時間への想い等も、一連の自己分析の中でウエイトづけをすべきでしょう。
情報収集
転職サイトや転職エージェントに登録し、自分が働きたいと思う求人企業の目星をつけます。
エージェントに登録して転職活動をする場合だと、転職情報の提供や書類のチェック、面接の練習なども対応してくれるので、効率的に転職活動が進められるのでおすすめです。
スケジュール確認
転職準備には時間がかかるものです。
現在の仕事の引継ぎのことも考えながら、まずはいつ頃に転職したいか、大まかな転職時期を設定します。
そしてその時期から逆算して、いつまでに書類を作成する必要があるのか、面接はどのあたりで行えるとよいのか等のスケジュールを立てましょう。
書類作成(履歴書・職務経歴書等)
今までの自分の経験・スキル、仕事での実績の棚卸しをし、書類の作成をします。
職務経歴書を作成する際、実績や達成率などは数字を用いて記載しましょう。
その方が応募企業の採用担当者に伝わりやすいです。
自己PR文は応募企業に分かりやすく伝えるため、項目ごとに見出しをつけると見やすくて良いでしょう。
転職エージェントを介しての転職活動をされている方は、書類を必ずエージェントの担当者に見てもらいましょう。
第三者にチェックしてもらうことで、誰にでも分かりやすい文章になっているか、確認することができます。
ポートフォリオ制作(応募職種に応じて)
クリエイターやデザイン職種等の場合、自分が今までに制作したポートフォリオ(作品集)を準備する必要があります。
ポートフォリオ制作には時間がかかりますので、企業への応募前に準備をしておきましょう。
②求人企業への応募
気になる企業の中から、実際に応募する企業を選定し、応募します。
上記①の準備の際に、希望する業種・職種・勤務地・条件をしっかり決めておけば、自分の転職活動の軸をぶらすことなく、応募企業の選定がスムーズにいきます。
③選考(筆記試験、面接など)
■筆記試験
中途採用での筆記試験は、パーソナリティ検査とアビリティ(知力)検査が一般的です。
■面接
転職面接の回数は企業によって異なります。
現職として働きながらの転職活動の場合、有休を利用して面接できる場合はよいですが、平日に休みが取れないという場合もあるかもしれません。
その場合は、平日夜や土曜日等に面接の時間を企業にとってもらえるか、またリモート・オンラインで面接を受けることが可能なのか、書類選考が通った場合には面接の前に確認しておきましょう。
④内定~退職手続きの開始
第一希望の会社から内定がでた場合、内定承諾はなるべく早く(2~3日以内)に伝えるようにしましょう。
また内定承諾の前には、労働契約や賃金などについて書かれた書類である「採用内定通知書」等の内容をしっかり確認しておくことも大切です。
そして正式に入社が決まったら、入社日の目安を伝えます。
また、現職へ退職の意向を伝える必要があります。
退職の意向は、会社によってあるいは退職者の立場によっても違いはありますが、退職日よりも1~3か月前に伝えるのが一般的です。
業務の引継ぎはきっちりと責任を持って行うのがいいので、お早めに報告することをおすすめいたします。
退職届を提出する等、諸々の手続きが完了すれば、転職活動は終了となります。
⑤入社
晴れて内定が出た企業に入社!
転職に向けたスケジュール
転職活動にかかる期間は人それぞれ
転職活動とその準備にかかる期間は人それぞれです。
在職中なのかどうか、転居を伴う転職を希望しているのか、ご家族がおられるのかどうかといった、個人の状況にもよりますし、景気動向などの社会環境によります。
現職の方で言えば、「半年後~1年後までには転職をしたい」というご希望の方はよく見られます。
もちろん現在お仕事をされていない方で「すぐにでも!」という方もおられますが、転職活動には多少の余裕をもった方がいいでしょう。
特に現職でプロジェクトを率いている方、季節的な繁忙期がある方はそれらも念頭に置いてください。
面接に割ける時間が無くなってしまったり、内定が出ても退職までのスケジュール調整がうまくいかなかったりと、活動そのものに支障が出てしまうこともあると思います。
転職の選考の流れ・期間の目安
求人に応募してから内定までは、企業の選考ステップによって変わるので、一概には申し上げられません。
例えば、
1.書類選考
2.1次面接
3.役員面接
4.内定通知書の提示
というステップだった場合、各ステップの間は1~2週間以内に収まることが多いと思われます。
但し、現職の場合はスケジュール調整に時間がかかるので、もう少し長くなることがあります。
この場合のコツとしては、次のステップのスケジュールを先取りして意識しておくことです。
例えば1次面接を受ける際、合否は分からなくとも受かった場合の事を考え、「来週であればこの日とこの日は大丈夫だな」と予定を確認しておくことです。
そのためにも可能であれば企業に応募する際、事前に選考ステップ(回数や内容)を確認することをお勧めいたします。
内定から入社までの流れについて
内定から入社までの期間ですが、現職業務の引き継ぎ期間を考慮して余裕を持つことが大切です。
面接時に「いつから来られますか」という質問に対し、不用意に期日を区切って報告をすると、トラブルになりかねません。
「まだ会社に退職を告げていないので、内定を頂いて、退職願を出してから〇週間ほどいただけますか?」という風に、内定通知書の受領日を起算して、引継ぎ期間を考え余裕をもって回答する、という流れがベストです。
転職を考え始めたらやっておくこと・知っておくこと
①味方をつけよう
応募企業が決まっていなくとも、転職に向けてまず心掛けていただきたいことがあります。
まずご家族など、プライベートな関係者に転職のご意思をお伝えになることです(注:現職の同僚に伝えるわけではありません!)。
ご結婚されていらっしゃるのであれば、配偶者への相談は欠かせません。
転職に転居を伴うようであれば、パートナーの転職も考えなければいけませんし、お子さんがおられれば転校の必要もあるでしょう。
お住まいはどうするのか、世帯年収からみる希望給与設定は…。
家族がいる場合、転職は転職者ご本人だけのお話ではありません。
また、転職の意思を伝えるだけではなく、「面接が決まった」「企業に応募した」など、身近なご家族には進捗状況を逐一報告し、転職に向けた味方になっていただくことは大変重要です。
②準備段階であれば現職には言わなくてもOK
準備段階で現職に退職意思を表明する必要は全くありません。
むしろ現職には内密にした方が良いでしょう。
例えば、ご家族の都合(両親の介護など)で避けられない理由が発生するのであれば、その限りではありませんが、不用意に転職意思を伝えることで、会社や同僚との関係性に悪い影響が出ることも少なくありません。
通常、退職意思は「内定企業から条件面を含めた内定通知を頂いてから、現在の職場に伝える」が原則になります。
転職と在職を天秤にかけるために、「会社を辞めたいのですが…」と進退伺いをたてる方も時折おられますが、あまり良い方法ではありません。
退職を匂わせることで現職の待遇や環境が良化するかも、という期待をされる方もおられますが、長年転職コンサルタントとしてサポートしてきた経験上、その可能性は極めて稀です。
③応募企業との面接が入る前に書類は作っておく
ご家族などへの相談と同時並行で、履歴書・職務経歴書を作成していきます。
もちろん詳細なドキュメントは企業応募が決まってから作成することになりますが、エージェントに登録する場合は、履歴書と職務経歴書が無ければ転職マッチングに時間がかかってしまいます。
また、これらの書類を作成することで、ご自身の経歴の棚卸しにつながり、転職に関する希望条件の明確化も容易になります。
転職エージェントを通さずに自分での活動を中心にする場合でも、明文化された情報が手元にあるかどうかで企業の選定に大きく差が出ます。
応募企業によっては、ごく稀に独自のフォーマットをご用意されていることもあるので、この時点で作成した書類が最終形というわけではありませんが、ベースとなる職務経歴を作成して損はありません。
なお、これらの情報は応募企業にあわせて定期的なブラッシュアップが必要です。
④UIターン転職の場合、自治体から助成金が出ることも
UIターン就職の場合には、転職先に応じて助成金が出るケースも珍しくありません。
年齢要件や現在のお住まいなどによるので、必ず助成金対象になるとは言い切れませんが、転職を希望する地域が決まっている場合、想定している自治体のHPは是非チェックをしてみることをおすすめします。
インターネットで[●●市 転職 助成金]等で検索すると、目当ての情報に届くことが多いです。
ただし助成金には期限が決まっていることもあるので要注意です。
こういった転職に関する周辺情報も早めに収集すると、転職に向けた活動イメージが湧くことでしょう。
転職活動を進めるには時間・労力がかかる
転職エージェントを活用すると効果的に転職活動できる
これまでご説明したように、転職には時間と労力がかかります。
そこで、効率的に活動を進めることが大事になってきます。
書類を作成する段階で、「中々自分の経歴の棚卸しができない…」という場合は、転職エージェントを活用するのは大変効果的です。
転職を考える際、「どうしても転職したいというわけではないが、いいところがあれば転職をしたい」とお考えの場合、明確な転職意思が固まっていない状態でエージェントに登録するのは気が引ける、という方もおられます。
しかし、むしろそういう時のほうがエージェントには相談しやすいかもしれません。
書類の作成時の相談などを含めて、具体的な応募企業名が上がってきたり、サイトでは見られない非公開求人の内容を見たりして、初めて転職活動に具体性が出てきます。
エージェントにご相談なさる際には、転職に迷っている旨を正直にお話しされるとよいと思います。
そもそもその理由であれば、「転職ではなくもう少し現職でスキルを磨いては…」というエージェントからのアドバイスもあるかもしれません。
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