『希望する業界や職種が見つかり、いざ面接へ!』
『これまでの自分の経験を思う存分アピールして、評価してもらいたい!』
転職活動において、そう考える方はたくさんいらっしゃることと思いますが、受け入れ企業はスキルだけを評価するわけではありません。
これまでの生き方や考え方、転職の背景なども含め、あなたの人間性も見られるという点もお忘れなく。
本ページでは、面接で必ず問われるであろう退職理由を、転職を考えた背景やどのように伝えることが理想なのか等についてお伝えいたします。
目次
まずは転職したいと思った理由を明確にする
「職場の人間関係がね…」
「もっと給料欲しいな~」
「そろそろ地元に戻りたいな…」
100人いれば100様のストーリーがあるように、転職における背景、転職の必要性、転職の希望度合いは人それぞれです。
正直、転職活動は面倒くさいです。
履歴書を準備することのみならず、職務経歴書も準備しなければいけません。
和暦、それとも西暦で書いた方がいいの?大学卒業したのって何年だっけ?
あの部署異動っていつだったっけ?あの時何の業務をしてたっけ?
何か実績は残せたっけ?何年あの部署にいたんだっけ?あの時の会社の売り上げは…?
そうこうしているうちに「転職面倒くさい…やーめたっ!」という方も多くいるはずです。
そこで挫折してしまう人は、その程度の思いなのでしょう。
転職にはそれ相当のエネルギーと失敗のリスクを回避する慎重さが必要となります。
それでも転職をしようと思った背景には、必ず何か理由がありますよね。
まずはご自身がぼんやりと思っている、「転職したいと思った理由」を具体的に考えてみましょう。
これは自分自身と向き合って確認をする大切な作業であり、自己分析に繋がります。
転職は誰かの指示で行うものではありません。
これまでの自分とこれからありたいとする自分を対比して、転職がそのギャップを埋めることに繋がるかを考えたいものです。
転職の書類作成にあたって
「見える化」のために、文字にしよう
次は、自己分析後の書類作成です。
転職活動も学生時代の就職活動と基本的なステップは同じですが、学生の時とは違い、社会人には「職歴」が付随されます。
また、就職する以前は想像でしかなかった社会人生活も、実際に経験してみて色々と感じることがあると思います。転職をしたいと思う背景には、振り返った際、何か感じることや引っかかることがあるに違いありません。しっかり振り返ってみましょう。
そして、その時々の思いを頭の中で整理するのではなく、文字にしてみましょう。
「あの時こう思ったな」「あの時こう感じたな」
皆さんが経験されたことを深掘りしていくと、プラスになったことや経験できてよかったこと、辛かったことなど、いくつかの種類に分けられると思います。
それらを踏まえ、「転職しようかな」という考えに至った経緯や心情を書いてみましょう。
ここがしっかり書けると、自分なりに転職することに納得感を得られ、面接などで理由を問われた際にもブレない返答ができるようになります。
また、書いた文字を読むことで、自分自身の説得力が増します。
そこにストーリー性があれば、聞き手も納得できる
さて100様のストーリーとは言え、転職理由全てが美しいとは限りません。
中には、会社から早期退職を促されたから転職せざるを得なくなった、という方もおられるでしょう。不本意な話です。
今回のコラムでお伝えしたいことは「退職理由の伝え方」です。
早期退職優遇制度に応じての退職であっても、自分自身が転職を選ぶことになりますので、聞き手を納得させる退職理由が必要になってきます。
自己分析をしっかり行い、それらを文字にして整理してみれば、おのずとストーリーは描けているはずですので、ここに「客観的な目線で物事を図る」ことが大切になってきます。
転職をすれば問題が解決するとも限らない
評価されない!というAさんの話
例えば、以下のようなAさんがいたとします。
<Aさん>
・営業成績は常にトップ
・業務に活かせる資格を、独学で取得した
・しかし、上司から評価されない
・給与も上がらない
→だから、転職を決意した
Aさんはとても優秀なのでしょう。成績もしっかり残し、自己研鑽も欠かさない。
それでも評価されないのなら、評価してくれる会社にいきたい。そう思うのは自然なことです。
しかし、一歩引いて考えてみましょう。それだけ優秀であろう方なのに、なぜ評価されないのでしょうか。
私たちコンサルタントは、あくまでご相談に来られた転職希望者の方からのみの情報を収集するしかないため、真偽のほどは分かりかねます。でも色々と想像することはできます。
もしかしたら最も求められるであろう「一般的なビジネスマナーがなっていない(まだ足りない)」のかもしれません。
また、自我が強すぎて「自分さえよければいい」とチームの輪を乱してしまっているのかもしれません。
これらは自分自身では分からない、気づかないことかもしれませんが、そうなってしまっている可能性もあります。
面接では、「社内でなぜ評価されないと思いますか?」という質問が出る可能性も十分にあります。そこで、自分なりの見解を考えておく必要があります。
もっと問われるであろうことは、「当社に転職されても同じことが起きるかもしれませんよ?(その場合はまた転職をするのですか?)」という質問です。
たらればで話を言い出せばきりがないですが、「評価されない」というのは、どこにでも通用する退職理由にはなりづらいのではないか、ということが言えます。
人間関係に悩んでいる!というBさんの話
別のよくあるケースを考えてみましょう。Bさんのようなお悩みを持っておられる人は、世の中にたくさんいるのかもしれません。
<Bさん>
・直属の上司とどうしても馬が合わない
・挨拶などをしても返ってこない
・他のメンバーとの価値観も合わず、職場に居づらい
→だから、転職を決意した
これも、Bさんにとってはつらいでしょうね…。
職場は基本的には1日の大半を過ごすであろう場所、その環境が自分と合わなければ、環境を変えたいと願うのは当然のことです。
しかし、転職をすれば解決するとも限らない問題でもあります。
「それは辛いですね。でも、当社でもそうなりうる可能性もありますよ?(その場合はまた転職をするのですか?)」と問われた際、どう返答すべきでしょうか。
これらに対し、自分自身の転職への思いを知って頂くためには、事実だけをそのまま伝えればいいとも限りません。
起こっている出来事や感じたことを改めて整理し、聞き手に納得して頂けるようなストーリーを組み立てましょう。
その過程で自分が至らなかった点に気づき、次の職場への転換点となれば、転職の意義が倍加されるでしょう。
点と点を線で結ぶ作業ですが、多少はそこに転職活動での気づきをベースに脚色し、肉付けしていっても良いように思います。
【ケース別】退職理由
転職の必要性が高い場合
(転職をしてでも、環境を変えなければいけない理由がある場合)
①勤務エリアの都合によるもの
例えばUターン転職やIターン転職で多い、「地元に戻りたい」「配偶者の地元に行かねばならなくなった」などの場合は、現職でも引き留めることはできないでしょう。
よって、この上ない理由となります。ただし、以下の2点は注意しましょう。
(1)現職にてそのエリアでも勤務できる可能性がある場合
例えば現職に支店や営業所が存在する場合です。
職種によって異動可・不可はあるはずですが、会社としては最大限の配慮をしてもらえる可能性があります。
退職を選ばずとも継続できるのでは?と思われる可能性があるため、別の理由も伝える必要があります。
<例文>
家庭の都合により、地元である石川県にUターン転職をすることにしました。
現在の勤務先での金沢支店への異動の打診もありましたが、ゆくゆく転勤の可能性を考えると、自分の希望だけを通すのは無理があると思いました。
そこで石川県に本社があり、転勤の可能性が低い企業へ転職を希望いたしました。
(2)転職希望エリアに地縁のない場合
応募企業の「なぜこのエリア?」という疑問への説明が必要です。
また、Iターン転職を決意した背景を問われる可能性もあります。
基本、面接では「なぜ?」の繰り返しなので、自問自答を繰り返し、返答内容を整理しましょう。
<例文>
旅行で富山県を訪れた際、旅先で財布を無くし、途方に暮れたことがありました。
諦めかけた際、警察から連絡があり、奇跡的に財布が見つかりました。
その時に富山の人々の温かさに触れ、とても町が魅力的に映りました。
また、私はアウトドアの趣味があり、休日には大自然と触れ合える環境に身を置きたいと元々考えていたこともあって、富山県へのIターン転職を決意しました。
②介護など、家庭の都合によるもの
家庭の都合による転職は、素直に気持ちをお伝えすれば納得頂ける理由です。
もし、Uターン転職やIターン転職につながるエリアであれば、さらに理解されやすい理由になるでしょう。
また、子育ての環境面でも北陸は恵まれていると言えます。
こちらは転職の必要性としては少し弱いかもしれませんが、家庭の都合であることには変わらないでしょう。
その際は家族の移住への同意が取れていることも伝えましょう。
<例文>
父の持病が悪くなり、現在は母が父の介護をしておりますが、日に日に弱っていく母にも何かの手助けができればと思い、地元への転職を決意しました。
また、東京での子育てを考えた際、妻の地元の福井県であればのびのびと育ってくれるであろうことを願い、福井県への移住を決めました。
妻の両親が近くにいる環境であれば、妻も仕事を続けていけるので、夫婦間ですぐに話がまとまりました。
転職の必要性が低い場合
(このまま続けてもいけるが、自分の思いとして環境を変えたい場合)
この場合は、もっともらしい転職理由を明確にする必要があります。
例えば「キャリアアップのために転職をしたい」という言葉を、私たちコンサルタントは多く耳にします。では、あなたのいうキャリアアップとはどのようなことを指すのでしょうか。
ここが曖昧だと、採用する企業からはぼんやりと映ってしまい、「本当に転職する気があるのだろうか?」と思われてしまいます。
<IT業界でプログラミングをしているCさんの話>
なんとなくこのまま仕事をしていても、この先同じことを繰り返しているだけ。
部門のリーダーになっても、下請け企業だから、得意先から与えられたことをし続けるだけ。
これでは先が見えない。だから、キャリアアップしたい。だから、転職したい。
この気持ちは分かります。
そこで、Cさんのいうキャリアアップとはどういうことをイメージしているのか?を明示する必要があります。
例えば、
SE(システムエンジニア)として要件定義(お客様と仕様の打ち合わせをすること)を中心に仕事をしてみたい。
全体のシステムの運用の仕方から見直し、最適なシステムを提案し、お客様のお仕事を支援したい。
それらを実行するうえで、プログラミングの実務もこなしていきたい。
これは、キャリアアップ後までも考えた、良いイメージですね。
ここまでお伝えできれば、選考をする会社も判断しやすいかもしれません。
「キャリアアップ」という言葉に頼るのではなく、具体的にこうなりたいという姿を示すことが、実は志望動機にもつながっていったりするものです。
逆に言えば、志望動機から退職の理由(転職の背景)も示せるということです。
具体的な視点としては…
・現職ではどう頑張っても、従事できない仕事・職種などにチャレンジしたい
・役職的な視点ではなく、仕事内容にフォーカスした理由の方が納得感がある
・「貴社では、このような仕事にチャレンジしたいと思っている」という具体的な希望を示す
ことが大切です。
みなさんはフリーアナウンサーの馬場ももこさんをご存じでしょうか?
彼女はケーブルテレビからテレビ金沢に転職し、テレビ金沢在籍時にたまたま全国放送の番組に出演する機会に恵まれ、フリーアナウンサーへと転身しました。
「アナウンサー」という職業としては、活動する範囲やエリアを徐々に広げ、順調にキャリアアップを遂げた一例かもしれませんね。
現職への退職の伝え方
実はここが一番大変!
転職活動の一連のプロセスにおいて、転職活動としてのゴールは、「入社」です。
それでは、転職活動の一番のヤマ(しんどいポイント)はどこかと問われると、おそらくは「選考」でしょう。
選考は自分を評価してもらえるのかどうかに直結します。
また、それに伴う入念な準備も大変なプロセスです。
しかし、私たちコンサルタントが関わっていく上で、一番大変なのは「内定が出た後」ではないかと感じています。なぜなら在職中の方であれば、現職への退職を伝えなければならないからです。
人によっては、今の会社が嫌で嫌で仕方ない、一刻も早く環境を変えたいという方もおられるでしょう。それでもそこに在籍し、お給料を頂いていたこともまた事実。
できることなら極力円満に卒業したいものですね。
次項では、現職への退職時に想定されることなどをお伝えしていきます。
気持ちをしっかり持って、逃げずに向き合う
あなたが今の会社に退職を伝えたら、周囲はどんな反応を示すと思いますか?
立場や役割次第ではあると思いますが、多少なりとも引き止めに合ったり、理由を問われ慰留をされたりするのではないでしょうか。
これらは転職することを決めた人にとっては障害にもなりますが、大切なのはしっかり現職の会社と向き合うことです。
誰しも生きている限り、変化は必然的に起こります。
環境の変化、気持ちの変化、色々な変化があるからこそ日常が楽しいとも言えます。
つまり、現職の人事担当や上司は、当然ながらそれらも分かってはいるはずです。
それでも慰留される理由は以下が考えられます。
①退職者が出ると仕事が止まってしまう
退職者が特別な資格を保有していたり、その人しかできない仕事をしていたりすると、その会社の仕事が止まってしまいます。
そうなると会社にとって大打撃となり、場合によっては死活問題です。それは避けたいと願うでしょう。
②上層部からの評価を気にする
あくまで一般論ですが、大きな組織になればなるほど、自分の管理する部署から退職者が出てしまうと、マネジメント責任を問われることが考えられます。
嫌な言い方ですが、自分の評価を死守するために慰留する、ということも実態として挙げられます。
③単純に、寂しい
今まで同じ方向を向いて、ともに仕事をしてきた仲間が減ってしまうのは、単純に寂しいことです。
あなたにとっても逆のパターンを考えれば、そう感じたことがあるかもしれません。
では、どうすればよいのか?
現職のことを思えば退職をしないことが最善の策ですが、あなたが転職を考えるに至った理由ははっきりしています。
そうならば、その理由を素直に伝え、会社としっかり話をすることが大切です。
厳しいことを言われるかもしれないし、査定期間中だと最後に頂けるであろう賞与にも影響してしまうかもしれません。
色々な懸念はありますが、転職を決意した以上はこの門をくぐらずには先に進めません。
出会いを見つけるより別れを告げるのは酷なはずですが、しっかり自分の気持ちをお伝えしましょう。
そして、何を言われても、結論を変えない強い気持ちはしっかり持っているべきです。
一方的に退職届を出すのではなく、退職届は準備の上で上司や人事担当者と話をしましょう。
「立つ鳥跡を濁さず」で引き継ぎをする
退職に関して現職が理解を示してくれても、現実的には引き継ぎをどうするか?などの現実的な課題が現れます。
そして、内定先の企業からは「いつ入社できますか?」と催促もされる等、板挟みになることもあるでしょう。
現職の会社と、転職してお世話になる会社、どちらを優先するかと問われれば、基本的には後者でしょう。だからといって、現職を全て投げ出すわけにもいきません。
例えば、現職での引き継ぎにどうしても時間がかかってしまう場合は、転職先の会社にも相談してみるべきです。
転職先でも同様に誰かの引き継ぎの都合があるから、○○日までに入社してほしい、ということであれば、そちらが優先となりますが、そうでない場合は応じてもらえる可能性があります。
弊社経由の転職の場合は、担当コンサルタントが親身になって話を進めさせていただきます。
是非お気軽にご相談ください。
こんなときどうする?転職Q&A
退職願と退職届の違いが分からない
退職願と退職届、一文字違いですが少し意味は異なります。
退職願 : 組織に対し、退職の希望を示す書類(却下される可能性もある)
退職届 : 組織に対し、自分の退職を通告するための書類(割と一方的)
一般的には退職願を出し、相談しながら受理されるように思いますが、にっちもさっちもいかない時には、退職届を出すという選択もあり得ます。
しかし、できれば円満に退職したいところです。基本的には退職願を使用することが望ましいです。
会社がどうしても辞めさせてくれない
円満退職を希望していても、なかなか上手くはいかないこともあります。
最後は退職届を提出し、「○月○日付けで退職する」意向をしっかり示しましょう。
曖昧なままの状態であることが、お互いにとって思わしくないはずです。
結局のところ、出社せず欠勤が続けば退職することにはなってしまいます。
しかし、今までお世話になった会社には感謝の意を伝え、またどこかでいい関係が続けられれば理想です。最後はとにかく、向き合って話をしてみてください。
誰に相談すればいいのか分からない
私たち転職コンサルタントは、求職者の皆さまの味方です。
決して積極的に転職をお勧めするわけではないですが、転職が必要なタイミングもあります。
皆さまが「転職をする!」と決意した以上は、どのプロセスにおいてもしっかりと転職のサポートさせて頂きます。
是非、このほくりくFIT転職のサービスを上手く利用して、理想の転職活動を行ってください。応援しています!