四季折々の自然が魅力の日本。
今年行われた東京オリンピックはコロナ禍の影響が大きかったですが、出場選手をはじめ多くの方が海外から来日されました。
果たして海外の方にとって、日本の環境はどのように感じられたのでしょうか。
特にマラソンや競歩では、真夏の暑さが選手にとって危険だという議論があったことも記憶に新しいのではないでしょうか。
一方、今夏はお盆中に大雨の被害が相次ぎ、九州を中心にもはや災害とまで言われるほどに。
我々を取り巻く自然環境が変わり続ける中、「地球環境」や「eco」に関するキーワードが注目されています。
では、環境に関する仕事事情はどうなのでしょうか？
今回は、石川県での環境分析技術者の就職・転職事情について解説いたします。
目次
環境分析技術者について
環境分析技術者の仕事は、主に大気や水質、土壌などの環境分析・調査
環境分析に関する仕事は様々ですが、一例をご説明いたします。
例えば、「○○市が河川の上流のこの地点にて、水質調査を行う」というお仕事があった際、対応できる企業が入札などでお仕事を受託する流れです。
この場合は
・月に1回現地に足を運び、指定された地点での水を採取する
・採取した水分を持ち帰り、分析機器などを用いて成分を調査する
・毎月定期観測をし、報告書にまとめる
・1年分を提出する
などでしょうか。
水に限らず、土壌や大気など、依頼主が何を知りたいかにより調査の対象は異なります。
例えば、2011年に起こった東日本大震災。
東北エリアを中心に、水質などの調査があったことに加え、福島県では東京電力の原発事故があり、主に土壌調査などを中心に環境分析技術者に向けたお仕事がありました。
災害は起きてほしくないものですが、災害後の対応や復興に向けて、環境を知ることは重要なお仕事です。
誰から依頼があり、どのように仕事として成立しているのか
これらのお仕事の依頼主は「県や市町村など、公的機関」であることがほとんどで、一部民間企業の依頼もあるように思います。
詳細は分かりかねますが、公的機関は入札案件としてお仕事の発注につながることが多いようです。
逆に言えば、定期的に仕事が存在することになるため、しっかり受注できれば安定感のある仕事と言えるのかもしれません。
民間企業では、工場設置予定先の水質調査や土壌汚染調査などが挙げられます。
工場設立に向け、その土地の水質は環境面で基準値をクリアできているかどうかなどを調べ、その結果を依頼先企業に報告するということがお仕事になります。
レアなケースで言えば、その土地に温泉が掘削できるかどうか、その温泉の成分はどのようなものかを検証するための環境分析も存在します。
環境分析技術者に役立つ資格・経験・スキルとは？
環境分析技術者として、具体的にどのような業務に就くかにもよりますが、以下のような資格はあると優遇されるように思います。
＜資格の例＞
公害防止管理者、バイオ技術者、危険物取扱者、毒物劇物取扱責任者、食品衛生管理者、放射線取扱主任者、有機溶剤作業主任者、環境計量士、など。
資格保有者でないと扱えない業務も出てきますが、どの職種にも言えますが、資格より実務経験を重視するケースの方が多いように思います。
また、分光光度計やフローサイトメーター、アフィニティークロマトグラフィーなどの分析機器の使用経験があることも、評価対象にはなり得るように思います。
石川県での環境分析技術者の転職事情
どんな企業（業種）に環境分析技術者の仕事があるの？
石川県内では、下記のような企業に環境分析技術者が求められています。
・株式会社エオネックス（温泉の掘削等の開発事業 / 環境分析・調査事業）
・株式会社大和環境分析センター（環境測定分析業）
・株式会社アクトリー（各種環境関連プラント（廃棄物焼却炉、焼成炉、高効率エネルギー回収設備ほか）の製造・販売）
エオネックスでは、まさに環境分析や調査を行う部署が存在します。
大和環境分析センターも、会社の事業そのものが環境測定や分析等です。
アクトリーはいわゆるプラント（廃棄物焼却炉）の製造メーカーですが、社内における研究開発部門では環境分析に長けた方がおられると、より精度の高い仕事ができるように思います。
石川県で環境分析技術者は転職しやすい？
企業の求人ニーズ次第というのが結論ではありますが、この手の業務は学校で学んだことが活かせるというよりも、実務の中で経験を積み上げていくことがほとんどではあると思います。
求人の状況によっては「未経験でも可」というタイミングもあるかもしれませんが、分析機器などの使用があることもあり、化学・生物学系科目の履修経験がある方のほうが、優遇されやすい傾向かと思います。
もちろん、逆に言えば実務経験者は限られてくるため、ニーズさえあれば採用になる可能性は高いように思います。
ただし難点は、環境分析業務を行っている企業が限られていることです。
そういった視点で言えば、環境分析技術者への転職は狭き門かもしれません。
まとめ
環境分析技術者は転職に強い！
ある程度限られた枠での採用になると思われますが、そもそも環境分析技術者としての実務経験者が多くないことを考えると、転職には強い職種であるように思います。
企業様の求人ニーズの状況にもよりますが、逆に「未経験だけどチャレンジしたい！」という方には、ハードルが高い職種でしょう。（新卒採用の場合は別）
資格の有無や業務経験の長さ、仕事に関わった深度は一旦置いておき、これまで業務経験がある方であれば、是非積極的にチャレンジ頂きたいと思います。
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